佐藤可士和が叩かれまくってるけど、いうほど佐藤可士和は悪くないと思う理由

昨日、この記事がバズりまくってましたね。
天才デザイナー佐藤可士和さんのデザインの失敗から学ぶベネフィット(お客様にとっての価値)の重要性

去年の9月に書かれた記事がなぜいまさらバズりまくってるのかはよくわかってないのですが、興味深く読ませてもらいました。
確かに、記事で指摘されている「ベネフィットの訴求」は重要な視点ですし、あらためて勉強になったとは思うのですが、佐藤可士和が叩かれまくってることに少し違和感を感じているため、反論記事を書くことにしました。

佐藤可士和叩きの3つの論点

この記事だけでなく、以前から佐藤可士和叩きが盛んだったのですが、その論点は主に以下の3つでした。

  • ウィーダーinゼリーでスタイリッシュなデザインを追求して売上ダウン
  • セブンカフェのUIがわかりにくく、店頭でPOP貼られまくり
  • GUやユニクロロゴなんてだれでも作れるじゃん?

これらの論点にそれぞれ反論してみたいと思います。

リニューアル後のウィダーインゼリーのパッケージにベネフィットは確かにないけれど・・・


前述の記事では以下の様に書かれていますね。

ウィダーインゼリーのパッケージについても、ベネフィットがないのが問題です。
「10秒チャージ、2時間キープ」とか、「ビタミンが簡単にとれる」というベネフィットがわかりやすく表現されていたものを、商品のコンセプトを変えてしまい、お客様が求めていないカロリーゼロとかハーフとかいう飲料が流行っているからといってそれに合わせた表現にしてしまったのでは、今までの愛用していたファンが逃げてしまうのは当然なのです。

「10秒チャージ、2時間キープ」「ビタミンが簡単にとれる」というベネフィットがわかりにくくなったのが売上ダウンの理由だと言っていますが、じゃあ「10秒チャージ、2時間キープ」というキャッチコピーをまた入れれば売れるようになりますか?
そうは思いません。

もちろん、ベネフィットをきちんと伝えるデザインという考え方は重要ですし、否定する気もないですが、ウイダーinゼリーがどういう商品なのか、というのはもう既に浸透しきっているので、「いまさらそのベネフィットを伝えるフェイズではない」と経営陣が判断した結果のリニューアルでは無いんでしょうか?

事実、東洋経済新聞では以下のように書かれています。

ただここ10年、ウイダーinゼリーの売上高は横ばい状態にあった。その原因について、「現在の20歳から30歳くらいの人たちにとって、ウイダーinゼリーは子供のころから当たり前にあるもの。どうしても目新しさはなくなっている」。森永製菓が4月のリニューアル会見で配布した資料で、松崎勲・執行役員も率直に語っていた。そこで発売20周年を機に、「発売当初の驚きをもう一度取り戻そうと、リニューアルすることにした」(同)という。

リニューアルの目的はそもそもマンネリ化していたから新しいコンセプトで打開しようした、ということです。

森永製菓はその原因について、「リニューアルのコンセプトを浸透することができなかった」と説明する。カロリーのない「カロリーゼロ」が比較的好調な一方、1個90キロカロリーの「カロリーハーフ」が苦戦。「カロリーハーフ」はリニューアル前の「マルチビタミン」をベースとする商品だが、カロリーゼロでも、エネルギー補給ができるわけでもない、「カロリーハーフ」に置き換えたことで、その価値を訴求しにくくなったものと見られる。

通常商品のパッケージから「10秒チャージ、2時間キープ」のベネフィットが消えたことが問題ではなく、
むしろマルチビタミンのコンセプトを「ビタミンを手軽に取れます」から「カロリーハーフ」に置き換えたことが売上低下の原因だったとしっかり書いてあります。ですから、「コンセプトを間違えたから戻します」であって、佐藤可士和のせいだ、とはヒトコトも行っていないわけです。

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実際、この発表から半年以上たった現在では、「カロリーハーフ」が「マルチビタミン」に戻っただけで、パッケージは佐藤可士和の作ったデザインでほぼそのまま継続しています。

「10秒チャージ、2時間キープ」のくだりは修正されていないため、問題はここではなかったし、ということは記事での指摘が的外れだった、と言えます。

セブンカフェのUIの問題


確かにスタイリッシュさに振り切りすぎて、わかりにくいUIというのは同意ですが、セブンカフェ自体売上は大成功しているじゃないですか?だったらいいんじゃないですか?
(成功したのが誰のおかげかはわかりませんが・・・)

UIが使いやすくなるに越したことは無いけど、それにしても叩かれすぎです。

GUやユニクロのロゴが誰にでも作れる問題

プロのデザインとは、ただ形をデザインすることではありません。
CI(コーポレートアイデンティティ)と呼ばれるように企業の存在価値やメッセージ、社会的意義を表現するためにロゴに落とし込まれるだけであって、そのロゴに込められた意味、背景、メッセージなどのブランディングも含めてデザインなのです。

だから、成果物としてのロゴマークがだれでも作れるものであっても、そこに込められたメッセージや理由付けを含めてののデザインだから価値があるのです。


ピカソの絵ならだれでも書けそう、でもそれを書いたのがピカソだから評価される、価値がある、そういえばわかるでしょうか?

物事にはいろんな側面があります。
目に見える事象だけが全てではなく、見えない所にも価値はある。
ですから、あなたの目に映るものだけで批判し、叩きまくるのはすこし考えたほうがいいような気がしますよ?

3 thoughts on “佐藤可士和が叩かれまくってるけど、いうほど佐藤可士和は悪くないと思う理由

  1. わかりにくいUIは、それだけで万死に値するだろう。
    一人の客が10秒戸惑えば、10万人の利用者の100万秒が失われる。
    後ろに列が出来ている仮定で100万秒は200にも300にもなりうる。
    間違ったボタンを押せば10秒どころじゃない。

    たった一人の愚かなデザイナーのせい。 
    採用者がそれと同等以上に愚かだったのは認めるが、だからこそデザイナーに金を払うわけで。

    あと、ウィダーはパチ物と変わらない見た目なんで買わなくなった。
    パチ物臭のする何かに金を払うくらいなら本物のパチ物を買う。

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  2. 「放っておいても売れる」(同社)とされてきたinゼリーの失速は、森永製菓の営業部隊を突き動かした。

     店頭のPOP広告で、水分補給やビタミン摂取といった健康効果を積極的に訴求。飲料売り場だけでなく、サプリメントの棚やマスクの近くなど、健康にひも付けたさまざまな売り場での販売を試みた。

    東洋経済オンライン

    これは結局のところ、セブンカフェと全く同じことがここでも起きたということなんでしょうね。

    自分の目に映るものだけで擁護するのはすこし考えたほうがいいような気がしますよ?

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  3. 「ウィダーは森永製菓のコンセプトが悪かっただけでデザイナーは悪くない。セブンカフェは売れてるんだからデザインなんかどうでもいい。でもデザイナーが描いたものはすべからく価値あるものです!」
    ということでしょうか。あまり共感できませんでした。

    ウィダーについて、10秒チャージ…の一文は重要でなかったというのは同意ですが、そこだけ挙げて前述の記事が的外れということにはならないと思います。記事で述べられているベネフィット(=何が得られるか)は、定番商品なら商品の種類とも言えます。これがわかりにくいのは大問題です。定番商品で売り上げが横ばいだったのなら、例えば「緑のパッケージのビタミンのやつが欲しい」と買いにくる人も多かったはずですが、リニューアル後は緑でもなくビタミンとも書かれてない(下の方に書いてあるようですが見にくい)ため迷ってやめてしまう場合もあると思います。現パッケージでこの点は修正されていますので、やはり修正前のものはわかりにくく売れにくいデザインだったと言えるのでは。

    セブンカフェの装置にシールが貼られまくった状況は見た目が悪いし、シールの縁は掃除しにくそうで不衛生な感じがします。店員からすればシールを貼ったり説明したりする手間がかかり、客からすれば分かりにくいし雑然として不衛生な印象をも受ける。これもやはり良いデザインとは言えないと思います。

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